はじめに
カーリース中に引っ越しが決まると、荷造りや新居の準備に気を取られがちですが、「車の手続き」は後回しにすると意外な落とし穴になります。運輸支局の管轄が変わればナンバー変更が必要になることもありますし、リース会社・自動車保険・駐車場契約など、連絡すべき相手も複数あります。
この記事では、カーリース利用中に引っ越すときに必要な手続きを「全体像→個別の手続き→よくある疑問」という流れで整理しました。引っ越しを控えて不安な方も、これを読めば「いつ・誰に・何をすればいいのか」が一通りイメージできるようになります。
カーリース中の引っ越しで何が変わるのか?全体像を把握しよう
引っ越しで関係する主な手続きの一覧
カーリース中に引っ越すと、主に次のような手続きが関係してきます。
リース会社への住所変更、自動車検査証(車検証)の使用者住所変更、運輸支局の管轄が変わる場合のナンバー変更、自動車保険の住所・使用目的変更、車庫証明の取り直し、駐車場契約の変更などです。これらはすべて「所有者がリース会社」であっても必要になる可能性があります。まずは、どの手続きが自分に当てはまるかを整理するところから始めると、抜け漏れを防ぎやすくなります。
「住所変更」と「ナンバー変更」の違い
「住所変更」と「ナンバー変更」は混同されがちですが、別の手続きです。住所変更は、車検証に記載されている使用者住所を実際の居住地に合わせる手続きで、同一の運輸支局の管轄内であればナンバーは変わりません。一方、引っ越しによって運輸支局の管轄が変わる場合は、住所変更に加えてナンバー変更(登録番号変更)が必要になります。つまり、すべての引っ越しでナンバーを変えなければならないわけではなく、「管轄が変わるかどうか」が分かれ目になります。
ローン購入との違い(所有者がリース会社である点)
カーリースでは、車の名義上の所有者がリース会社(または信販会社)になっていることが一般的です。このため、住所変更やナンバー変更の手続きを行う際は、所有者の協力や書類が必要になります。ローンで購入した自家用車なら、所有者・使用者ともに本人であることが多く、自分の判断で手続きを進めやすいですが、カーリースでは「リース会社への連絡が先」という点が大きな違いです。勝手に手続きを進めるのではなく、必ず事前に相談することが重要になります。
リース会社への住所変更と契約情報の見直し
まずはリース会社への連絡が最優先
引っ越しが決まったら、真っ先に連絡しておきたい相手の一つがリース会社です。契約書には、「使用者の住所変更時には速やかに届け出ること」といった条項が盛り込まれていることが多く、放置していると契約違反とみなされる可能性があります。リース会社経由で車検証の住所変更・ナンバー変更をまとめて手配してくれる場合もあるため、自分で全てを調べて動くよりもスムーズに進むことがよくあります。
契約者情報・連絡先・請求先住所の変更
住所が変わると、契約書上の契約者住所・郵送物の送付先・請求書の住所なども変わります。最近はメールやオンライン明細が中心でも、重要書類やリコール案内などが郵送されることはゼロではありません。誤った住所のままだと、車検やリコールなど大切なお知らせを受け取れないリスクがあります。引っ越し日と新住所が決まった時点で、なるべく早めに変更手続きを進めておくと安心です。
引き落とし口座・支払い方法に変更がある場合
引っ越しに合わせて、給与振込口座やメインバンクを変更する方も少なくありません。カーリース料の引き落とし口座を変更する場合は、銀行の手続きとは別に、リース会社への届出・口座振替依頼書の再提出などが必要になります。引き落としがうまく行かないと、延滞扱いになり信用情報に影響する可能性もあるため、「住所変更」と「口座変更」はセットで見直しておくとよいです。
引っ越し先での利用条件(走行距離・使用目的)の確認
引っ越しによって通勤距離が大きく伸びたり、使用目的が「日常・レジャー中心」から「通勤・業務利用中心」に変わることがあります。リース契約や自動車保険では、年間走行距離や使用目的が条件に組み込まれているケースが多く、その条件から大きく外れると、返却時の精算額や保険の支払いに影響することがあります。引っ越し先での車の使い方が大きく変わる場合は、リース会社と保険会社の両方に相談しておくと安全です。
車検証の住所変更とナンバー変更が必要なケース
車検証に記載される「使用者住所」とは
自動車検査証(車検証)には、「所有者」と「使用者」の情報が記載されています。カーリースの場合、所有者にはリース会社、使用者にはあなたの氏名と住所が載っていることが一般的です。引っ越しをしても車検証の住所を変えずに乗り続けると、実際の使用状況との不一致が生じ、万一の事故や行政手続きの際に不利になる可能性があります。引っ越し後は、使用者住所を正しいものに変更する必要があります。
同一運輸支局エリア内の引っ越しと、管轄が変わる引っ越しの違い
同じ運輸支局(自動車検査登録事務所)の管轄内で引っ越す場合は、車検証の住所変更のみで済み、ナンバープレートはそのまま使い続けられることが多いです。一方で、都道府県をまたぐ転居や、同じ都道府県内でもナンバー地域が変わるような引っ越しの場合には、住所変更手続きに加えて、ナンバー変更が必要になります。「ご当地ナンバー」が変わる引っ越しかどうかを、一つの目安として考えると分かりやすいです。
ナンバープレート変更が必要になるパターン
ナンバー変更が必要になるのは、主に「使用の本拠の位置(車を主に置いている場所)」が変わり、管轄する運輸支局が変わるケースです。例えば、「広島ナンバー」から別地域のナンバーに変わるようなケースが典型です。この場合、運輸支局での手続きにより新しいナンバープレートが交付され、古いナンバーは返納します。カーリース車両の場合、所有者情報の扱いがあるため、自分だけで勝手に手続きを進めず、必ずリース会社と連携して進める必要があります。
住所変更・ナンバー変更の基本的な手続きの流れ
住所変更・ナンバー変更の大まかな流れは、「必要書類の準備 → 運輸支局・自動車検査登録事務所での申請 → 新しい車検証・ナンバーの交付」というステップです。カーリース車の場合、所有者であるリース会社からの委任状や印鑑証明書などが必要になることもあり、個人名義の車よりステップが増えることがあります。どこまでを自分で行い、どこからをリース会社や販売店に任せられるのか、事前に確認しておくと安心です。
必要書類の例(印鑑・住民票・車検証など)
必要書類は地域や手続き内容によって異なりますが、一般的には「車検証」「新住所の住民票や印鑑登録証明書」「認印(または実印)」「自動車保管場所証明書(車庫証明)」「委任状」などが挙げられます。リース会社経由で手続きを行う場合は、所有者側の書類は会社側で準備してもらえることが多いため、使用者として準備すべきものだけを案内してもらうとスムーズです。
手続きを行う窓口(運輸支局・自動車検査登録事務所)
住所変更・ナンバー変更は、原則として新しい住所地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。平日のみ受付というケースが多く、受付時間も限られているため、仕事の都合がつきにくい場合は、販売店や行政書士に代行を依頼する方法もあります。代行費用はかかりますが、手間と時間を考えると、結果的にメリットが大きいと感じる方も少なくありません。
自動車保険・ロードサービスの住所変更と補償エリア
自動車保険の「記名被保険者住所」と「使用目的」の重要性
自動車保険では、記名被保険者の住所や車の使用目的(通勤・通学・業務・日常レジャーなど)が保険料や補償条件の算定に使われています。引っ越しによって住所や使用実態が変わったのに、保険会社へ届け出ていない状態が続くと、万一の事故の際に不利な扱いを受ける可能性があります。カーリース中であっても、保険は別契約として加入していることが多いため、引っ越しのタイミングで必ず保険証券の内容も見直しましょう。
通勤距離・使用状況が変わった場合の申告
引っ越しによって通勤距離が大きく伸びたり、逆に短くなったりする場合、自動車保険の「年間走行距離区分」や「使用目的」の見直しが必要になることがあります。例えば、通勤で使う距離が長くなれば、事故リスクが高いと判断され保険料が変わる場合もあります。一方で、以前よりも車を使う機会が減るのであれば、プランを見直すことで保険料を抑えられる可能性もあります。
都市部・地方部で保険料が変わる可能性
保険会社によっては、車を主に使用する地域によって保険料が異なる場合があります。交通量が多く事故件数の多い都市部と、比較的交通量が少ない地方部では、統計上のリスクが違うからです。引っ越し先によっては、同じ車・同じ補償内容でも保険料が上がったり下がったりすることがあります。住所変更の連絡をする際に、「保険料の変更があるかどうか」も合わせて確認しておくと安心です。
ロードサービス・レッカー距離などの確認ポイント
自動車保険やメーカー保証には、ロードサービスが付帯していることがあります。引っ越しによって、よく走るエリアやディーラー・整備工場との距離が変わると、レッカー搬送距離の上限や、無料サービスの対象範囲が実際の利用形態に合わなくなることもあります。山間部や高速道路でのトラブルが増えそうな場合には、ロードサービスの内容を強化するプランへの変更も検討してよいでしょう。
駐車場・車庫証明の取り直しと注意点
引っ越しと車庫証明の関係
自動車を登録するには、原則として「自動車の保管場所(車庫)」を確保しておく必要があり、都市部を中心に車庫証明が求められます。引っ越しによって保管場所が変わる場合、車庫証明の取り直しが必要になる地域もあります。車庫証明の内容と実際の駐車場所が大きく異なる状態を放置すると、行政指導の対象となることもあるため、新居でどこに車を置くのかを早めに決め、必要な手続きを進めることが大切です。
月極駐車場を借りるときのチェックポイント
マンションの敷地内駐車場を利用しない場合、近隣の月極駐車場を借りるケースが多くなります。このとき、車庫証明を取得するには「駐車場契約書」「使用承諾書」などが必要になる場合があります。契約前に、不動産会社や駐車場管理会社に「車庫証明用の書類を発行してもらえるか」を確認しておくと、後で慌てずに済みます。また、車のサイズ(全長・全幅・全高)と駐車枠の寸法が合っているかも必ずチェックしておきましょう。
車庫証明の申請手続きと必要書類
車庫証明は、管轄の警察署で申請するのが一般的です。申請書、保管場所の所在図や配置図、自認書または使用承諾書、印鑑などが必要になります。申請から交付まで数日かかることが多いため、引っ越しとナンバー変更のスケジュールとの兼ね合いも考えて動く必要があります。カーリース車両の場合でも、車庫証明の取得自体は使用者側で行うのが基本となるケースが多いです。
車庫証明の不備がリース契約に与える影響
車庫証明に関する条件がリース契約に組み込まれていることもあります。例えば、「適切な保管場所を確保すること」「車庫がない状態での使用は禁止」といった条項です。車庫証明が取れない地域や、違法駐車状態で使用していると判断されると、契約違反として注意や是正を求められることもあります。引っ越し先を選ぶ際には、「家賃・立地」だけでなく「車を安全に置けるかどうか」も重要な条件として考えることが大切です。
引っ越し先が遠方・離島・海外の場合のポイント
長距離引っ越しでの車両輸送(陸送・自走)の選び方
県外や遠方への引っ越しでは、「車を自分で運転していくか」「陸送サービスを利用するか」を選ぶ必要があります。長距離の自走は疲労や事故リスクもあるため、家族構成や体力、時期(渋滞・天候)なども踏まえて判断することが大切です。陸送を利用する場合は、受け渡し場所や日程、保険の有無を事前に確認し、リース会社にも「いつ・どこからどこへ移送するのか」を共有しておくと安心です。
離島・山間部などでのメンテナンス・提携工場の確認
離島や山間部など、ディーラーや指定工場が少ない地域に引っ越す場合は、定期点検や車検、故障時の対応がスムーズに行えるかを事前に確認しておく必要があります。リース契約でメンテナンスパックに加入している場合、「提携工場がどこにあるか」「代車の手配が可能か」などをリース会社や販売店に聞いておくと、後々困りにくくなります。地域によっては、代替サービスを案内してくれることもあります。
海外転勤の場合の選択肢(中途解約・家族利用への切り替えなど)
海外転勤が決まった場合、現在のカーリース車をどうするかは大きな検討事項です。多くの場合、日本国内での使用を前提とした契約になっているため、車を海外に持ち出すことは現実的ではありません。この場合、「中途解約して返却する」「家族が継続利用する」「一定期間一時的に使用を止める」といった選択肢をリース会社と相談することになります。転勤期間や帰任の見込みを踏まえて、最も負担の少ない方法を検討しましょう。
一時的な二拠点生活と車の置き場所
単身赴任などで一時的に二拠点生活をする場合、「車をどちらの拠点に置くか」「家族が利用するのか」を明確にしておく必要があります。車庫証明上の保管場所と実際の利用実態が大きく異なっていると、万一の事故時に説明を求められることもあります。メインで使用する場所が変わる場合は、住所変更や車庫証明の見直しも含めて、リース会社・保険会社と相談しておくと安心です。
なるべくスムーズに進めるための段取り・スケジュール例
引っ越しが決まった段階〜1か月前までにやること
引っ越しが具体化した段階で、まず取り組みたいのは「リース会社・保険会社への連絡」と「新居での駐車場確保」です。このタイミングで、「自分の引っ越しはナンバー変更が必要なのか」「車庫証明の取り直しが必要なのか」を確認しておきます。運輸支局や警察署の窓口は平日対応が多いため、自分で行くのか、販売店や行政書士に代行を依頼するのかも含めて早めに検討するとスムーズです。
2週間前〜引っ越し直後にやること
引っ越しの2週間前くらいからは、具体的な手続きの準備に入ります。車庫証明が必要な場合は、新住所での駐車場契約書をもとに申請を行います。その後、車検証の住所変更やナンバー変更が必要であれば、運輸支局・自動車検査登録事務所での手続きに進みます。引っ越し直後は何かと慌ただしいため、できる手続きは前倒しで進めておくと、後の負担が軽くなります。
引っ越し後に忘れがちな最終チェック
引っ越しが終わったら、「車検証の住所が新住所になっているか」「自動車保険の証券内容が最新になっているか」「リース会社からの郵送物が新住所に届いているか」を確認します。また、ナンバー変更を行った場合は、ETCマイレージや高速道路のETC利用登録情報も新しいナンバーに変更する必要があります。細かい手続きではありますが、後回しにすると「気づいたら旧情報のままだった」ということになりがちです。
平日しか手続きできない窓口への対応策
運輸支局や警察署の窓口は平日の昼間のみというケースが多く、仕事をしていると「時間が取れない」という悩みもよく聞かれます。このような場合は、販売店や行政書士に代行を依頼する、仕事の有給休暇やフレックス制度を活用する、といった方法を組み合わせる必要があります。手続きにかかる日数や費用を事前に把握し、引っ越し全体のスケジュールの中にうまく組み込むことがポイントです。
よくある疑問とトラブルパターン
「住所変更を忘れていた」場合はどうなる?
引っ越し後しばらく住所変更を忘れていたからといって、すぐに重大なペナルティを受けるとは限りませんが、放置するメリットはほとんどありません。車検の案内やリコール情報が届きにくくなるだけでなく、事故や違反の際に連絡が遅れる可能性もあります。気づいた時点で早めにリース会社と保険会社に連絡し、必要な手続きを進めることが大切です。
ナンバー変更しないまま乗り続けるリスク
管轄が変わっているのにナンバー変更をしないまま乗り続けると、道路運送車両法上の問題が生じる可能性があります。また、実際の使用の本拠と登録情報が食い違う状態は、事故やトラブル時に説明が難しくなる要因にもなります。特にカーリースの場合は、所有者であるリース会社にも迷惑をかけることになるため、必要な手続きはきちんと行うことが重要です。
途中でリース契約の見直し・乗換えを検討したくなったとき
引っ越しをきっかけに、「今の車では使い勝手が悪い」「走行距離が大幅に増えそう」と感じることもあります。その場合は、住所変更と合わせて、リース契約の条件や乗換えの可能性についても相談してみる価値があります。中途解約には費用がかかるケースが多いものの、長期的に見れば別の車やプランに切り替えた方がトータルコストを抑えられることもあります。
罰則・行政処分につながる可能性があるケース
故意に虚偽の住所を届け出る、実際には車庫がないのにあるように見せかける、といった行為は、行政処分や罰則の対象となることがあります。カーリース車であっても、自動車の適正な登録・保管は使用者の責任であり、「バレなければいい」という発想は禁物です。正しい情報に基づいて手続きを行うことが、結果的には最も安心で、安全なカーライフにつながります。
まとめ
カーリース中の引っ越しは、「リース会社への連絡」「車検証の住所・ナンバー変更」「自動車保険・ロードサービスの内容見直し」「駐車場・車庫証明の手続き」など、いくつかのステップに分解できます。一つひとつは難しい作業ではありませんが、タイミングを逃したり、関係する相手への連絡を忘れたりすると、後から手間やリスクが増えてしまいます。
引っ越しが決まったら、まずはリース会社と保険会社に相談し、自分のケースに必要な手続きをリストアップしておきましょう。この記事の内容を参考にしながら、住所変更・ナンバー変更・保険の見直しなどを計画的に進めていただければ、新しい生活環境でも安心してカーリースを続けることができます。
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