はじめに
カーリースを検討している方からよく聞かれるのが、「ETCやドラレコは付けられますか?」「後から自分で付けても大丈夫ですか?」「返却するときに問題になりませんか?」という質問です。今や高速道路の利用や万が一の事故対応のために、ETCとドラレコはほぼ必須装備と言ってもよい存在になっています。一方で、カーリースは「車を借りている」という性質上、勝手な加工や取り付けがトラブルの原因になることもあります。この記事では、カーリース車にETC・ドラレコを付けるときの考え方から、後付けの可否、返却時の注意点までを整理して解説します。
カーリースにおけるETC・ドラレコの基本的な考え方
カーリース車に装着できる機器の種類
カーリース車に装着できる機器は、大きく「純正オプション」と「社外品(後付け)」に分かれます。カーナビ・ETC・ドラレコ・バックカメラ・電装アクセサリーなど、一般的な装備は多くのリース会社が想定している範囲です。ただし、「車両本体に加工を伴うもの」「取り外しで跡が残るもの」については、事前の許可が必要なケースが少なくありません。まずは「どの機器が問題なく付けられる前提なのか」を把握することが、トラブル防止の第一歩になります。
純正オプションと後付けオプションの違い
新車の注文時にメーカー純正として付けるETCやドラレコは、リースの見積もりに最初から含めやすく、返却時もそのままの状態で問題になりにくいのが特徴です。一方、納車後にカー用品店やネット購入品で後付けする場合は、取り付け方法や配線の仕方によって「原状回復」が難しくなることがあります。純正は価格が高め・選択肢が少なめ、社外品は安価で高機能だが取り付けに注意が必要、という違いを理解した上で選ぶことが大切です。
リース会社・販売店・利用者それぞれの立場
リース会社は車両の「所有者」として、返却後に中古車として再販売する前提で車両価値を守りたい立場にあります。販売店や整備工場は「安全に問題なく動く状態で納めること」が役割です。そして利用者は、「自分の使い勝手をよくしたい」「できるだけ費用を抑えたい」と考えます。この三者の思いがズレると、返却時の原状回復や費用負担で揉めやすいので、事前に相談しながら進めることが重要です。
ETCを付ける場合の基本ルール
新車注文時に純正ETCを付けるケース
新車のカーリースを契約する段階で、メーカー純正のETCを一緒に注文するパターンがもっともシンプルです。見積もり段階で「ETC付き」で計算されるため、月額にきれいに組み込まれ、返却時もそのままの状態で返せば基本的に問題になりません。ビルトインタイプの場合は内装と一体感があり、配線もきれいに仕上がるため、見た目や使い勝手を重視する方にも向いています。「あれこれ悩まず、最初から付けておきたい」という方には、この方法がおすすめです。
納車後に後付けETCを装着するケース
納車後にカー用品店や整備工場でETCを後付けすることも可能です。その場合は、事前にリース会社や販売店に「後付けしても問題ないか」「どのような取り付け方法ならOKか」を確認しておきましょう。シガーソケット電源+両面テープ固定など、取り外しが容易な方法であれば受け入れられやすい傾向があります。一方で、パネルを加工したり、純正配線に大きく手を加えるような取り付けは、返却時に原状回復費用が発生する可能性があります。
ETCのセットアップ・名義・カード利用の注意点
ETC車載器は、車両情報やナンバーを登録する「セットアップ」が必要です。カーリースの場合も、通常は利用者名義でセットアップし、ETCカードも本人名義のクレジットカードと組み合わせて使う形になります。車を乗り換えた際やナンバーが変わった場合には、再セットアップが必要になる場合があります。また、法人名義で利用する場合は、経費処理のルールと合わせてカード管理の方法も検討することが大切です。
ビルトインタイプと汎用タイプの違いと選び方
ビルトインタイプのETCは、インパネ内にすっきり収まるのが魅力ですが、取り付けに内装の脱着・加工を伴うことも多く、カーリースでは原状回復の観点から注意が必要です。一方、汎用タイプ(アンテナ分離型・一体型)は、両面テープ固定や簡易な配線で取り付けでき、返却時に外しやすいというメリットがあります。見た目のスマートさを取るか、返却時の気楽さを取るか、リース期間の長さも踏まえて選ぶとよいでしょう。
ドラレコ(ドライブレコーダー)を付ける場合の基本ルール
フロントのみ/前後カメラ/車内カメラ付きの違い
ドラレコには、フロントのみ記録するタイプ、前後2カメラで追突時も記録できるタイプ、車内や側方も撮影できる多カメラタイプなど、さまざまな種類があります。通勤や買い物が中心ならフロントのみでも一定の安心感がありますが、追突事故や煽り運転への備えを考えると前後カメラタイプが選ばれやすくなっています。送迎や業務用途で使う場合は、乗車中の様子も記録できる車内カメラ付きタイプを検討することもありますが、プライバシーへの配慮も必要です。
純正ドラレコと社外ドラレコのメリット・デメリット
純正ドラレコは車種専用設計で、配線がすっきりし、ナビやメーターとの連携機能がある場合もあります。その一方で、画質や機能面では社外の上位モデルに比べて選択肢が限られることもあります。社外ドラレコは、高画質・広角・夜間特化・クラウド連携など機能の選択肢が豊富で、価格帯も幅広いです。ただし、取り付け方法や配線ルートによっては、リース車の返却時に指摘される可能性があるため、「取り付ける人の技術レベル」がより重要になります。
常時録画タイプとイベント録画タイプの違い
ドラレコには、エンジンONのあいだ常に録画し続ける「常時録画タイプ」と、衝撃や急ブレーキなどのイベント時に重点的に記録するタイプがあります。最近は、多くのモデルが常時録画+イベント録画を組み合わせた仕様になっており、「普段の走行」「万一の事故」の両方をカバーできるようになっています。容量や上書きのタイミング、保存したい映像の長さを踏まえて、どの程度の録画機能が必要か検討すると、自分に合ったモデルを選びやすくなります。
駐車監視機能付きドラレコの注意点
駐車中も監視できるドラレコは、当て逃げやイタズラ対策として人気がありますが、カーリース車に付ける際にはいくつか注意点があります。まず、バッテリーから直接電源を取る「常時電源配線」が必要になるケースが多く、配線作業の難易度が上がります。また、長時間の駐車監視はバッテリー負荷も大きく、車両側への影響も考慮が必要です。リース車で駐車監視を使いたい場合は、「どのような配線方法なら許可されるか」を事前に確認しておいた方が安心です。
後付けでETC・ドラレコを装着する際のポイント
どこに依頼するか(ディーラー・カー用品店・整備工場)
後付けの取り付けを依頼する先としては、販売店(ディーラー)、カー用品店、街の整備工場などが選択肢になります。ディーラーは車両構造に詳しく、リース会社との連携も取りやすい一方、工賃はやや高めになりやすいです。カー用品店は、多様な機種に慣れており、キャンペーンで工賃がお得なケースもあります。どこに依頼するにしても、「リース車であること」「返却時に取り外す可能性があること」を最初に伝えておくと、配線や固定方法に配慮してもらいやすくなります。
電源取り出し方法(シガーソケット・ヒューズBOX・OBD)
ETCやドラレコの電源は、シガーソケットから取る方法、ヒューズBOXから分岐する方法、OBDカプラーから取る方法などがあります。シガーソケットは最も手軽で、取り外しも簡単ですが、見た目がスッキリしないことがあります。ヒューズBOXやOBDからの電源取り出しは、配線が隠せてスマートな仕上がりになりますが、誤った方法で行うとヒューズ切れや電装トラブルの原因になります。リース車の場合は、「車両側の加工を最小限に抑えること」を優先しつつ、安全な方法を選ぶことがポイントです。
配線の取り回しと見た目・安全性
ドラレコの配線がだらんと垂れたままだと、視界の妨げになったり、操作の邪魔になったりするだけでなく、急ブレーキ時に引っかかって危険な場合もあります。配線は、できるだけピラー内やヘッドライナーのすき間に通し、視界に入らないように処理することが大切です。ただし、エアバッグの作動位置を避ける配線ルートにするなど、安全性への配慮も必要です。見た目だけでなく、「安全に問題がないか」を整備士に確認してもらいながら取り付けてもらうと安心です。
工賃・部品代の目安と見積もりのチェックポイント
ETCやドラレコの後付けには、本体価格に加えて取り付け工賃がかかります。フロントのみのドラレコなら比較的安価ですが、前後カメラや駐車監視機能付きになると、配線作業が増えるぶん工賃も高くなります。見積もりを取る際は、「本体」「取付工賃」「追加配線やステーなどの部品」「セットアップ費用」などの内訳を分けて提示してもらうと比較しやすくなります。「思ったより高くついた」ということにならないよう、事前に総額を確認しておきましょう。
カーリース車に後付けする際の「OKな範囲」と「NGな加工」
原状回復できる取り付けとできない取り付け
カーリース車の基本は、「返却時に原状回復できるかどうか」です。両面テープや既存のネジ穴を利用した取り付けであれば、取り外したときの跡が目立ちにくく、原状回復がしやすいと考えられます。一方、専用ステーを溶接したり、パネルを切り欠いたりするような加工は、元に戻すのが難しく、返却時に追加費用が発生するリスクが高くなります。どこまでなら許容されるかは契約や会社ごとに違うため、迷ったら必ず事前に確認するのがおすすめです。
ネジ止め・穴あけ・内装カットが問題になりやすい理由
内装パネルやピラーに新たな穴を開けてネジ止めする取り付けは、一度穴を開けてしまうと完全に元に戻せないことが多いです。その結果、中古車として再販するときに見た目の印象が悪くなり、査定額が下がる原因になります。カーリース会社はこうしたリスクを避けたいので、「穴あけや内装カットは原則NG」としているところが少なくありません。どうしても固定が必要な場合は、「既存のネジを利用する」「目立たない位置にする」など、影響を最小限にとどめる工夫が必要です。
両面テープ・吸盤など脱着しやすい固定方法
ドラレコやETCの固定方法としては、両面テープや吸盤を使う方法が一般的です。これらは取り外しがしやすく、原状回復もしやすいというメリットがあります。フロントガラスに貼り付ける場合は、「ワイパーの可動範囲」「検査標章(車検ステッカー)との位置関係」「視界の妨げにならないか」などを確認しながら貼ることが大切です。夏場の高温で剥がれやすくなることもあるため、品質の良いテープや吸盤を選ぶと安心です。
電装機器を増やしすぎるリスク(電源容量・故障トラブル)
ETC・ドラレコ以外にも、スマホ充電器・レーダー探知機・車内用家電など、電装品を増やしていくと、電源容量の限界に近づき、ヒューズ切れや配線の発熱などのトラブルが起きる可能性があります。特に、素人配線で分岐を繰り返すと、どこにどれだけ負荷がかかっているか分からなくなり、故障原因の特定も難しくなります。カーリース車では「必要なものに絞る」「配線はプロに任せる」を意識することで、車両側への負担やトラブルを減らすことができます。
返却時にどうなる?ETC・ドラレコの扱い
そのまま付けた状態で返却してよいケース
リース会社の方針や契約内容によっては、「原状回復を求めず、そのままの状態で返却して問題ない」とされるケースもあります。例えば、純正オプションとして付けたETC・ドラレコは、そのまま残して返却しても中古車としての価値が上がると判断されることが多いです。また、見た目や配線がきれいであれば、後付け品でも「このままで大丈夫です」と言われる場合もあります。どこまで許容されるかは、返却前の点検や相談で確認しておくと安心です。
取り外しが必要になるケース
一方で、「リース契約時の仕様に戻してください」「後付け品は取り外して返却してください」とされるケースもあります。特に、社外品で内装に穴あけやカットを伴っている場合や、配線が純正ハーネスに大きく割り込んでいる場合は、取り外しと原状回復を求められる可能性が高まります。返却期限間際に慌てて取り外しを依頼すると、工場の予約が取れずにスケジュールがタイトになることもあるため、早めの準備が重要です。
取り外し費用・原状回復費用が発生するパターン
取り付けたETCやドラレコを外すだけでなく、配線処理や内装の補修が必要になると、その作業費用が「原状回復費用」として請求されることがあります。たとえば、ピラー内に通した配線を戻したり、穴を埋めたり、内装パネルを交換したりすると、それなりの金額になることもあります。自分で取り付けた場合はもちろん、第三者に依頼した場合でも、最終的な責任は契約者にあるのが基本です。「安く付けたつもりが、返却時に高くついた」ということにならないよう、先を見越しておきたいポイントです。
残したドラレコ本体や配線の扱い(所有権・処分)
返却時にドラレコをそのまま残す場合、その本体の所有権を誰が持つのか、処分方法をどうするのかは契約や会社のルールによって異なります。多くの場合、「車と一緒に引き取られ、中古車として販売する際の付加価値になる」という扱いになることが多いですが、「どうしても本体を持ち帰りたい」という場合は、返却前に取り外しを相談しておく必要があります。配線だけ残すことが認められるかどうかも含めて、事前に確認しておきましょう。
データ・プライバシーの観点からの注意点
ドラレコ内の映像データの扱い
ドラレコには、日々の運転映像や事故・ヒヤリハットの瞬間が記録されています。これらのデータには、ナンバープレートや歩行者、同乗者などの映像も含まれる可能性があり、取り扱いにはプライバシーの観点が伴います。通常の利用範囲であれば問題になることは多くありませんが、SNSなどでの公開や第三者への提供は慎重に判断すべきです。特に、事故映像をネットにアップする場合は、相手の同意や個人が特定されない配慮が求められます。
返却前にデータ削除・初期化をしておくべき理由
カーリース車を返却する際は、ドラレコ本体に残っている映像データや設定を削除・初期化しておくと安心です。自宅周辺の映像や通勤ルート、子どもの送迎ルートなど、個人情報に近い情報が残っていることも多いため、そのまま他人の手に渡るのは望ましくありません。多くのドラレコには「フォーマット」「初期化」機能がありますので、返却前に一度メニューを確認し、必要に応じてメモリーカードのデータ削除を行っておくとよいでしょう。
クラウド連携型ドラレコの場合のアカウント管理
最近は、スマホアプリやクラウドサービスと連携するドラレコも増えています。この場合、ドラレコ本体だけでなく、「アプリ側のアカウント情報」「クラウド上の映像データ」の扱いも考える必要があります。車両を返却した後も、クラウドに映像が残り続けていたり、第三者がログインできる状態になっていたりすると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。車両返却に合わせて、アカウントの紐づけ解除やデータ削除、パスワード変更なども検討しておくと安心です。
契約前に確認しておくべきポイント
リース契約書の「改造・後付け機器」に関する条項
カーリースの契約書には、多くの場合「改造・後付け機器」に関する条項が含まれています。そこには、「事前承諾が必要な作業」「原則禁止されている加工」「返却時の原状回復義務」などが記載されています。細かい文字で読み飛ばしてしまいがちな部分ですが、ETCやドラレコの後付けを考えているなら、ここをしっかり確認しておくことが大切です。不明点があれば、契約前に販売店や担当者に質問し、口頭だけでなく書面で確認しておくと安心です。
ETC・ドラレコが月額料金に含まれているかどうか
リースの見積もりには、グレードやボディカラーだけでなく、「ナビ・ETC・ドラレコなどのオプション費用」が含まれていることがあります。すでに月額に含めてあるなら、わざわざ自分で後付けする必要はないかもしれません。一方で、「最低限の装備だけで月額を抑えている」プランの場合は、後付けを前提としているケースもあります。見積書のオプション欄を確認し、「どこまでが月額込みなのか」をはっきりさせておくことが重要です。
返却時の原状回復の範囲と負担者
返却時にどこまで原状回復が必要なのか、その費用を誰が負担するのかは、カーリースの総コストに大きく影響します。ドラレコやETCに限らず、「後付けしたものを残していいのか」「必ず外す必要があるのか」「外す場合の工賃は自分持ちか」などを、あらかじめ確認しておくと安心です。「原状回復の範囲」が事前にイメージできていれば、取り付け時点で「外しやすい方法を選ぶ」といった工夫もしやすくなります。
故障時・事故時の保証範囲(機器本体・配線・車両側)
ETCやドラレコが故障した場合、その修理費や交換費用を誰が負担するのかも、契約や取り付け方法によって変わります。純正オプションとして付けた場合は、メーカー保証の対象になることもありますが、社外品の場合は機器メーカーや取り付け店の保証が中心になります。また、誤った配線によって車両側の電装にトラブルが起きた場合、リース会社から修理費を請求される可能性もあります。保証範囲と窓口を明確にしておくと、万一のときに慌てずに済みます。
まとめ
カーリースでも、ETCやドラレコを付けて快適かつ安心して車に乗ることは十分可能です。ただし、「借りている車」である以上、後付けの方法や返却時の原状回復について、マイカー以上に注意が必要になります。
ポイントは、
・原状回復できる取り付け方かどうかを意識すること
・リース契約書と保険・保証の内容を事前に確認しておくこと
・迷ったときは必ずリース会社や販売店に相談してから作業すること
の3つです。
これらを押さえておけば、ETCやドラレコを上手に活用しながら、カーリースならではのメリットも享受しやすくなります。これからカーリースを検討される方も、すでに利用中で後付けを考えている方も、本記事を参考にしながら、自分にとって最適な装備と取り付け方法を選んでみてください。
投稿者プロフィール

- 株式会社轟自動車が運営するWebマガジン「轟マガジン」では、新車レビューや知って得するお役立ち情報などを、わかりやすくお届けします。あなたのカーライフがより充実するヒントがきっと見つかります。
最新の投稿
カーリース2026年1月23日カーリースは「所有しない自由」を買うサービス?購入との価値の違いを整理する
カーリース2026年1月22日カーリースを検討する人が比較表を見てはいけない理由と、その代わりに見るべきポイント
カーリース2026年1月21日カーリースは「節約」ではなく「予測可能性」を買う選択肢
カーリース2026年1月20日カーリース契約で後悔する人に共通する“判断の早さ”という落とし穴






